マルセイユ石鹸の効果と特徴

マルセイユ石鹸の原料

 

 

マルセイユ石鹸の原料についてもう少し解説しておきましょう。20世紀初頭にはマルセイユにも約90の工場が残っていましたが、第2時大戦直前には、60の工場を数える程に減少し、現在ではセラァイユ社が伝統的な製造方法を受け継ぐマルセイユ石鹸の最後の工場となっています。

 

それだけにセラァイユ社のマルセイユ石鹸は原料に非常にこだわっており、17世紀にフランスで、ルイ14世がマルセイユに与えた厳しい製造基準をクリアした唯一の伝統的な製法を受け継いでいる本物の石鹸です。

 

原料はオリーブオイル、パームオイル、ヤシオイル、精製水 、塩化ナトリウム、バリラとなっており、オリーブオイルはオレイン酸が主成分(70~85%)で、パームオイルにはアブラヤシの中果皮が使用されていて、パルチミン酸が(飽和脂肪酸)が35~48%、オレイン酸(不飽和脂肪酸)が37~50%となっています。但し、酸化して色や臭い等の劣化が起きやすく、難しい原料です。

 

ヤシオイルはココヤシ油、コブラ油とも呼ばれる油で、ラウリン酸(飽和脂肪酸)が主成分(45~52%)です。酸化に強く安定していますが、水に弱く劣化し、融点が低いのでわずかな温度変化でも速やかに融解します。

 

このように効果はあっても扱いが難しい原料を選んでいるのがマルセイユ石鹸の特徴で、それだけに世界中の人達にこよなく愛されている理由にもなっているのでしょう。